今回は、ロウソクだけで出来てしまう簡単な呪いの方法についてお話していきたいと思います。
何故ロウソクなのかと言うと、実はロウソクは、人の命を表すものになり得るからです。
この「ロウソクを人間に見立てる」と言う行為は、呪いたい対象に非常に強力な呪いを掛けることが出来るものです。ですので、今回はロウソクを用いた呪いの方法について解説をしたいと思います。
呪いの方法
必要な物:ロウソク、針(もしくは先の尖ったもの)
方法 :深夜に、呪いを掛けたい対象の名前を、針か、それに類するものでロウソクに掘り、そのロウソクに怨念を込めながら火を点けます。ロウソクが燃え尽きるまで、ロウソクを見つめながら対象を呪う気持ちを込め続けます。
(もしくは、ロウソクに名前と伴に、対象を呪う言葉を刻み付けると言う方法もあります。)
効果 :対象が体調を崩す、怪我を負う(炎症、火傷など)
この呪いはロウソクを、呪いを掛けたい対象に見立てて怨念を込めることで、呪いを掛ける手法です。最初に述べたように、ロウソクは「人の寿命」を連想させるものですから、呪具としてはかなり適したものです。更に、呪いを掛ける対象の名前をロウソクに掘る、というのは、そのロウソクが呪いを掛ける対象の代替物である、ということをより明確にするための行為です。そういった意味では、理屈としては【丑の刻参り】に近い呪いになります。
加えて、「火」というのは呪術的に大きな力を持ったものです。御焚き上げなどで、供養を行う事ができる反面、火事のような制御されない「火」はケガレを産み、災いをもたらすものにもなり得るのです。ロウソクは長時間「火」を灯し続けるものですから、「火」の力を継続させ、呪いをより強力な物にする効果もあります。
また、深夜に行うのはロウソクに灯った「火」以外の光を極力排除することで、よりロウソクの火の特殊性を強調するためです。呪いの様な宗教的、呪術的行為には、こういった日常から切り離された「特殊性」の強調は極めて重要な要素となってきます。
呪いを行う際の注意点
ロウソクの火は、途中で消えることが無いようにしてください。これの呪いは、ロウソクが燃えつきるまで火を灯し続けることで成就する呪いです。そして呪いは、どのような事情があっても途中で中止してしまえば、その効果は無くなる、もしくは自分に返ってくることになります。ですからロウソクの火を絶やすことが無いよう、呪いを行っている最中は細心の注意を払う必要があります。
また、呪いに「火」を用いる場合、その「火」は「忌み火」とでも呼ぶべき、良くない力を宿したものになります。ですから、不用意に近づく、もしくは触れることにより火傷などを負った場合、その怪我は通常のものと比べて治りが遅い、火傷の跡が消えないなどの様々な弊害が現れるでしょう。ですから、不用意な「火」への接触は避けるようにしてください。
加えて、ロウソクの火が家屋に燃え移るようなことになった場合、「忌み火」が家屋、延いてはその土地全体へ広がることになりかねません。結果として、呪いを掛けたい対象には呪いの効果は表れず、自身や土地そのものが呪われてしまう危険性が存在します。そうなれば、どのような方法を取ったところで呪いの解除はほぼ不可能になります。その為、この呪いを行う際には、周囲の状況を整え、決して他所へ燃え移ることが無いようにしましょう。
ロウソクの魔力
先にも述べたように、ロウソクが燃える様子は人の寿命が尽きてゆく様を連想させるため、呪いを行う際の呪具として重宝されます。しかし、呪具としてのみではなく、ロウソク自体にも霊力と呼ばれる様な力が存在しています。
例えば宗教儀礼の一つ、「送り火」の一種として「灯篭流し」があります。これは、明かりを灯した灯篭を川に流し、死者の魂を弔うために行う行事です。この灯篭の中には、火を灯したロウソクが入っています。また寺社では、燭台が数多く設置されており、何かしらの儀礼の際にはそこへ大量のロウソクが置かれ、火が灯されます。
これらは、明かりが必要であると言う理由はもちろん存在していますが、それ以上にロウソクの呪術的な力を宗教儀礼に盛り込むという目的も存在しています。
呪術的に大きな力を持つ「火」を、長時間継続して灯し続けることの出来るロウソクは、「火」が灯っている場合に限り、「火」の力をより強力にする呪術的な力が働いているのです。
これは呪いに限った話ではなく、死者の弔いなどの、いわば「聖」の宗教儀礼にも言えることです。ですから、ロウソクや「火」の扱い方によっては、呪いだけではなく、その他様々な呪術的な効果を生むことも可能でしょう。
「火」とは、その性質から時に神として信仰されることもある、呪術的に非常に大きな力を持った存在です。その「火」を、ほとんど最小単位で扱える「ロウソク」という道具もまた、扱い方次第で非常に強力な呪具になり得ます。
ただし日常生活レベルでさえ、「ロウソクに灯った火」は扱い方を間違えれば危険なものです。それを呪術の道具として扱うのですから、その危険度はより上がっています。
そのため、ロウソクや「火」を呪いに用いるのは、失敗すれば呪いが際限なく広がってゆくリスクが存在しているのです。
ですから、もし呪いに用いようとするのであれば、周囲の環境、ロウソクの状態、自身のコンディションなど、様々な要素を考慮した上で、最大限の注意を払って行う必要があります。