ひとりかくれんぼとは、降霊術を用いた遊戯の一種です。ぬいぐるみや人形の中に霊を降ろし、その霊との「かくれんぼ」を行うのが、ひとりかくれんぼです。今回は、ひとりかくれんぼの方法と注意点について解説を行いたいと思います。
ひとりかくれんぼとは
ひとりかくれんぼとは、近代怪談の一種とも言える降霊術の一つです。人形やぬいぐるみを依代とし、その中に霊を降ろすことによって、降ろした霊とかくれんぼを行うという遊戯です。必要な物や方法が極めて簡易的なため、非常に行いやすい降霊術ですが、ひとりかくれんぼを執り行ったところで「こっくりさん」のように質問に答えてくれる、といったメリットはなく、あくまでも遊戯として行うものです。
ひとりかくれんぼに必要な物とやり方
・必要な物
手足のある人形やぬいぐるみ (人形に関しては、柔らかく、内部が空洞であるもの)
自身の爪、もしくは髪の毛
米
裁縫針
赤い裁縫糸
包丁やカッターナイフといった刃物、または錐などの、人形やぬいぐるみに刺さり易い物
塩水(コップに一杯程度で、溶かしておく塩は天然塩、もしくは清塩が良い)
:身体の一部や米は人形やぬいぐるみの内部に詰め込み、赤い裁縫糸はそれらを詰めるためにぬいぐるみに開けた穴を塞ぐために用います。
自身の体の一部や米は内臓や骨、赤い裁縫糸は血液や血管を意味しています。これらを用いることで、ぬいぐるみをより「人間」に近いモノにし、依代としてより適切な形へと昇華させます。
・方法
ひとりかくれんぼは、丑三つ時(午前2時~2時半までの間)になってから行います。ひとりかくれんぼの手順は、以下の通りです。
1:ひとりかくれんぼの下準備
ひとりかくれんぼに用いる人形、もしくはぬいぐるみなどの依代に「名前」を付けます(名前は何でも構いません)。その後、人形やぬいぐるみの一部を裂いて中身の綿などを抜き出し、代わりに同量程度の米と自身の爪、もしくは髪の毛を中に詰め込みます。その後、裂いた部分を赤い糸で縫い合わせます。
その後、ひとりかくれんぼを実行する際の隠れ場所を決め、その場所に予め塩水を置いておきます。
2:ひとりかくれんぼの実行① 自身が鬼
下準備を終えた人形、もしくはぬいぐるみなどの依代に対して、「最初は○○(自身の名前)が鬼」などと、自身がひとりかくれんぼの鬼であることを示す言葉を呼びかけ、それを浴室へもって行き、水を張った風呂桶に依代を沈めます。
その後、家中の明かりをすべて消し、テレビだけを点けておいてから(チャンネルは砂嵐の画面にしておきます)、目をつむって十秒数えます。
十秒数え終えたら、刃物を持って再び風呂場へ行き、「××(依代の名前)見つけた」と言ってから、刃物を依代に刺します。
最後に「次は××が鬼」というような、鬼の交代を示す言葉を依代に投げかけ、依代はそのままにしておいて、予め塩水を置いておいた隠れ場所へ隠れます。
3:ひとりかくれんぼの実行② 依代が鬼
この時の状態は、ひとりかくれんぼを行う際の場所や、ひとりかくれんぼを行っている継続時間などの条件によって様々です。
ひとりかくれんぼを行っている家屋の広さや、ひとりかくれんぼを続けている時間、隠れ場所が適切か否かによって、ひとりかくれんぼを行っている際に起こる現象や危険度も変化します。
ひとりかくれんぼを行っている最中に起こった現象について、報告されている事例としては、
A,テレビの音量が勝手に上下する、電源が勝手に消える、奇妙な画像が写る
B,屋内で、何かが動き回る音がする
C,何かに見られている気配がする
などといった事例があります。ですから、ひとりかくれんぼを行っている最中は、常に自身の置かれた状態を把握し、出来るだけBに至った時点で、ひとりかくれんぼを終了させた方が安全です。
4:ひとりかくれんぼの終了
ひとりかくれんぼを終えるには、まず隠れ場所から出る必要があります。その際に、予め隠れ場所に用意しておいた塩水を少量だけ口に含み、残りの塩水の入った容器を持って依代を探さなければなりません。大抵の場合、依代は最初に置いた風呂桶の中にありますが、万が一降ろした霊が強力なものだった場合、元の位置から移動していることもあります。そういった場合は、依代を探し出す必要があります。
依代を見つけたら、容器に残った塩水、口に含んだ塩水の順番で依代に塩水を掛け、「○○の勝ち」と3回言って自身の勝利を宣言します。ここで、ひとりかくれんぼは終了です。
ひとりかくれんぼを行う際の注意点
ひとりかくれんぼは、危険度がかなり高い降霊術です。ですから、もしもひとりかくれんぼを行う場合には、以下の注意点を厳守してください。
・隠れ場所は、絶対に見つからない場所を選ぶ
万が一、ひとりかくれんぼを行っている最中に見つかってしまえば、基本的に自身が依代にしたことと同じことをされます。
これは依代が刃物を持って、物理的に刺してくるわけではなく、それだけの苦痛を与えられる、ということです。ですから、隠れ場所は見つからない自信がある場所にしましょう。
・隠れている最中は、物音を立てない
これは当たり前のことですが、かくれんぼの最中に物音を立てれば見つかる可能性が非常に高くなります。ましてやリスクが高いひとりかくれんぼですから、隠れている最中は特に細心の注意を払う必要があります。
・塩水は絶対に忘れない
塩水は、ひとりかくれんぼを行う際の唯一の安全装置です。塩水を口に含む、即ち体内に取り入れることにより、降ろした霊に気付かれ辛くなる、もしくは気付かれても近寄れなくする、といった効果があります。塩水は、食塩(市販の物など)<天然塩<清め塩の順に、効果が高くなります。また、ひとりかくれんぼを終了する際にも、塩水は不可欠です。口の中に含んだ水や、容器に残った水をぬいぐるみに掛けるのは、塩水の効果によって依代に降りてきた霊を祓うためです。ですから、塩水だけは絶対に忘れないでください。
清め塩については、こちらを参考にしてください。【清め塩についてはこちら】
以上が、ひとりかくれんぼを行う際の方法と注意点です。何度も述べたように、ひとりかくれんぼとは降霊術の一種です。降霊術とは本来、専門知識を持った人間が、何重にも安全のための策を張り巡らせ、条件も完璧に整えた上で行うことです。それを、ひとりかくれんぼのように、簡易化した方法で行う事は、非常に高いリスクを負うことになります。くれぐれも、軽い気持ちで行う事は無いようにしましょう。