異性から送られてきた手作りプレゼント。
でも舞い上がってすぐさま口に入れるのは早計かもしれません。
中には相手がプレゼントに込めた思い以外にも、ナニか、入っているのかもしれないのですから。
今回は、ある混ぜ物によって相手を夢中にして自身の元へとどめ続ける。そのような呪術についてご紹介していきます。
人を夢中にさせ引き留める呪術
これは今から500年ほど前、中国の明朝時代に残された文献「志怪録」に記された呪術です。
当時はこの呪術はただの怪異として認識されてはいましたが、現代にも通じる部分を持つ立派な魔術の一つなのです。
この呪術にかけられたのは一人の青年でした。
術者となったとある娼婦はふらりと立ち寄った青年に料理を振る舞ったのです。
青年は疑うことはなくそれを口にしました。
中にはなにが含まれているかも知らずに。
それから青年は娼婦の営む売春宿にもう1年以上も泊まり続けていました。
その期間、男は娼婦の作った料理を口にし、様々な接待を受け続けていました。
不思議とその娼婦から離れようという気にはならなかったのです。
この青年を引き留め続けた要因は娼婦の振る舞う料理にありました。
料理には娼婦自身の経血が含まれていたのです。
この魔術によってとある娼婦は男を引き留め続け、大金をせしめることに成功したのでした。
経血を用いた呪術の注意点
前項でご説明したこの呪術の記録ですが、これで終わりではありません。
男はあるとき、自力でこの呪術から抜け出すことができたのです。
それこそがこの呪術の一番の弱点、相手に気づかれてしまうことでした。
あるとき娼婦は、青年に料理に経血を加える瞬間を見られてしまったのです。
その瞬間、青年は娼婦も、その宿にも執着していた心を失いました。呪術が解けてしまったのです。
青年はそのまま別れを告げて立ち去ったといいます。
「百年の恋も一時に冷める」という言葉がありますが、妄執に駆られているようなときほど、不意にかけられた冷や水の効果は比例して大きくなるものです。
混ぜるものの性質上、気づかれてしまった時の衝撃は大きく、拒絶反応も小さくありません。
この呪術に手を出そうという方は、どうか相手に気づかれることのないようご注意ください。
現代においての使用例
現在ではこの魔術、同じような魔術の中でもかなりメジャーなものとなってしましました。
インターネット掲示板やSNSで都市伝説として真しやかに語られたものを目にした方もいるかもしれません。
あくまで噂程度ではありますが手作りのチョコレート、特にバレンタインデーの際には相手はいやでも警戒をすることでしょう。
彼の有名な男性アイドル事務所でもこの呪術に対して厳重な警戒をしており、催しごとの際の手作りのプレゼントに関しては裏でこっそりと廃棄をしているのだとか。
そのため使うには少々策を講じる必要があるかもしれません。
人間の記憶はものとものを結び付けることで脳の引き出しから取り出しているのです。
この場合で言えばバレンタインデーとチョコレートがトリガーになっています。
だからこそ時期を外して「何かのお礼に」という体で渡してしまえば相手は油断して口へと運ぶことではないでしょうか。