スクエアとは、オカルト的な要素を持つ遊戯の一種です。
大きな分類としては降霊術の一種と言えなくもないですが、霊との交信が可能なわけではありません。
あくまで心霊体験、オカルト的な体験をするためだけのものですから、やはり遊戯としての面が一番大きいでしょう。
今回は、スクエアの方法やルーツなどをお話ししたいと思います。
ただし、オカルト的な要素を持つ遊戯とは、遊びと言っても危険が伴う、「危険な遊び」です。行う際は細心の注意を払いましょう。
危険な遊び スクエア(回廊)の方法
準備する物:真っ暗な部屋(正方形が望ましいが、四角形であれば長方形でも可能)、目覚まし時計(ベル式の金属音が鳴るもの)
参加人数:4人
時間:深夜2:00~3:00
方法
① 目覚まし時計を深夜3:00になるようにセットしておきます。
② 4人でスクエアを行う部屋に集まります。
このとき、部屋の真ん中に、セットした目覚まし時計を置いておきましょう
③ 4人が部屋の四隅にいる状態で部屋の明かりをすべて消し、部屋の中を真っ暗にします。
④ 四隅にいる人の中から、最初に動く人を決めておきます。
その人は反時計回りになるよう壁伝いに部屋の別の隅へ行き、そこに待機している人の背中を触りましょう。
その後、移動した人は自身の背中が触られるまでその場で待機します。
⑤ 背中を触られた人は最初の人と同じように歩き、次の人の背中を触りましょう。あとは次に触られるまで待機するだけです。
⑥ 後はセットした目覚まし時計が鳴るまで、これを繰り返し続けます。
セットした目覚まし時計が鳴ったら、部屋の明かりを点けてスクエア(回廊)は終了です。
スクエア(回廊)ではなにが起きているのか
かなり有名な話ですので、ご存知の方も多いとのではないでしょうか。
スクエアの参加者は4人と説明しました。しかしこの遊びは4人だけでは成立しないものなのです。
想像してみてください。
4人目が歩き出したとき、1人目は最初の場所にはいませんよね。
しかしこの遊びは成立しているのです。だって5人目が現れたのですから。
この5人目、存在Xとでもいうべき人物こそが、スクエアで現れる幽霊もしくはそれに類するものなのです。
この遊びではベル式の目覚まし時計指定して用いています。
これは終了の際に金属音を鳴らし、そこに現れたたXを金属音で祓い、スクエアを終了させるためです。
スクエア(回廊)と類似する霊障の話
このスクエアと類似する話は古今東西に多数存在します。
有名な話では、「雪山の一夜」や「4人の登山家」と呼ばれる心霊体験や怪談が挙げられるでしょう。
これらの心霊体験や怪談について軽く解説をしておきます。
4人の登山家が吹雪で荒れ狂った雪山で遭難してしまいました。
このままでは全員凍死してしまうと危惧していると、目の前に山小屋が見えてきのです。
登山家たちはこの山小屋で一夜を過ごし、次の日の朝日が出てから下山することにして、山小屋の中へ入ったのです。
山小屋のおかげで風は遮られました。しかし寒さはさして変わらず、この状況で寝たら凍死してしまうことでしょう。
そこで4人が部屋の四隅へと散り、眠ってしまうことへの対策として知らず知らずのうちにスクエアを始めたのです。
これは無事成功し、4人は翌日の朝、無事下山することができました。
そして下山後4人では成立しないこと、そして5人目の存在に気づいてしまったのだといいます。
幾つかの派生パターンがあるものの、上記が「雪山の一夜」や「4人の登山家」といった心霊体験・怪談の大筋です。
この怪談では4人の登山者が意図せずしてスクエア同じ状態を作り出しました。
その結果、存在しないはずの5人目を生み出し無事生還することができた、というものが一般的です。
スクエア(回廊)から読み解くそのルーツ
このスクエアに類似した危険な遊びや怪談は、実は江戸時代から存在していました。
日本では「隅の婆様」という名前で伝わっています。
まず参加者の4人が真っ暗な部屋の中に集まり、部屋の四隅に1人ずつが座ります。
次に4人全員が部屋の中央へと這って行き、お互いの姿が見えない中で各自の頭を撫でながら一つ頭を撫でるたびに「一隅の婆様」「二隅の婆様」と数えていくのです。
参加者は4人しかいないため、当然頭も4つだけしかないはずです。
しかし何度数えても必ず頭が5つある、というものです。
これは山形県のある地方で行われていた、心霊体験を伴う肝試しの一つです。
スクエアのルーツであるとともに、かなり古い時期から霊障を伴う危険な遊びが存在していたという証と言えます。
スクエアは方法の類似した危険な遊びが古くから存在し、派生した心霊体験や怪談も多く伝わっています。
心霊体験ができる遊びとしては、非常にハードルは低い類と言えます。
しかし呼び出された5人目は、自身らに対して好意的な存在である確証はありません。
スクエアをやろうとするならば危険の付きまとう遊びであるということを留意しなければなりません。