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丑の刻参りに藁人形は必要ない!?~手ぶらでできる丑の刻参り~

今や誰もが知っている「丑の刻参り」
白装束に藁人形、鏡を首からぶら下げ頭には五徳とロウソク…深夜の神社で藁人形を打ち付けている。

このイメージ、実は後々できたものなんです。つまり、元々の丑の刻参りは呪いの要素に限定されたものではなかったのです。故に、藁人形やロウソクなどといった道具も必要ありませんでした。

元来の丑の刻参りとその手法とは。今回は丑の刻参りの昔と現在を考察し、より強力かつ効率的に相手を呪う為にはどの方法を用いるのが良いのか、詳しく見てみたいと思います。

現在の丑の刻参りの由来と歴史

日本では古来より、艮(うしとら)の方角と言うのものは鬼門の方角とされていて、丑の刻も同様に鬼門の時刻とされてきました。丑の刻とは、暦や時間が十二支読みだった頃の時刻で、現在で言う深夜1時から深夜3時までを指す時刻です。鬼門とは、陰悪の気が集まり、邪鬼が出入りすると言われています。また、この世と神様の世界が繋がる場所や時刻であるとも言われています。

その鬼門の時刻である丑の刻に、神事ごとが行われる場所、例えば神社やお寺といったの霊力の高い霊場にて祈祷を行うと、効果を限界まで高める事が出来るとされています。その中でも丑三つ時(午前2時~2時半までの間の時刻)が霊力的には一番力が高まる時間とされており、その時刻に祈祷をおこなうと、そのエネルギーの恩恵を受けることができるといいます。

もちろん、祈祷は開運や恋愛成就のためでも構いません。

しかし、この祈祷が悪意を持って行う祈祷となった場合、つまり、他者へ呪いをかける呪術的儀式を行った場合でもその効果が高まるとされ、これに、当時一般的かつ簡単であった藁人形を使った呪術が組み合わさり広まったため、現在イメージされる丑の刻参りの形となってきたのです。

丑の刻参りって実は超簡単!?

丑の刻参りは準備が大変なイメージ、ありますよね。

実は、丑の刻参りと言うものは、現在皆さんが思っているような難しいものでは無く、本来、心さえあれば出来る祈りなのです。つまり、呪いと言うものも、相手を怨み憎む気持ちさえあればかけられてしまうものなのです。その、恨み憎む気持ちを、より強力で確実な呪いへと進化させるために行うのが呪術儀式、例えばこの「丑の刻参り」なのです。

丑の刻参りは、藁人形を使うといった媒介手法の呪術的儀式を用いる事で、霊的能力や呪術的知識等が無くても簡単に自身の怨みを呪いとして具現化することが出来るようになるというもの。そして、丑の刻参りの儀式を更に確実なものとしていく為に、正しい知識や手順、必要な素材があれば、より成功率を高め、効力を更に強固なものにする事が出来るということなのです。

逆に言えば、恨み憎む気持ちが大きく強いものであれば、道具なしでも呪いを成功させる事ができるのです。それには、正規の手順とそれにかかる大変な準備や時間の中で、強化されていく呪いの力を知る必要があります。

先ず、道具を使った丑の刻参りの方法について見ていきましょう。

丑の刻参りの準備・必要なもの

呪いの儀式を丑の刻参りへと格上げする為に必要なものは以下の通りとなります。

  • 藁人形
  • 木槌か、それに代わる石(霊石であれば尚良い)
  • 藁人形を打ち付ける木(霊場やパワースポットの木であれば尚良い)
  • 呪いをかける対象者に縁のあるもの(毛髪や爪、写真でも可)

藁人形は手作りできますし、販売されているものもあります。呪いをかける対象者の毛髪や爪などを事前に埋め込んでおくと良いでしょう。写真を使用する場合は、現地で藁人形の上に被せると良いでしょう。このとき、この藁人形が呪を懸ける対象者そのものへと変化していくよう念を込めましょう。

藁人形を打ち付ける木は霊場で探すのがベストですが、家屋内で丑の刻参りを行う方は、それに準ずる木、もしくは汚れていない木を入手しておきましょう。このとき、不法侵入や窃盗罪に抵触しないよう気をつけて。

対象者に縁のあるものは、毛髪や爪、写真がベストです。普段身につけているものでも良いのですが、窃盗はしないように。バレて呪い返しをされると命までうばわれかねません。対象者の毛髪や爪など触るのも嫌だとは思いますが、藁人形と対象者がより強く結び付けられるための呪物です。嫌悪感を込めて扱うのが正解です。

丑の刻参りを強化するもの

丑の刻参りの呪いを更に強固にして確実なものとする為に必要なものが以下の通りとなります。

  • 五徳もしくは鉄輪
  • ロウソク
  • 白装束
  • 銅鏡もしくは鏡
  • 刃物

五徳は、藁人形を打ち付ける際に手がふさがるので、ロウソクを固定する為に使います。ロウソクは、手元を照らす為の明りと7晩目の最後に藁人形を燃やし供養する為に使います。白装束は、丑の刻参りを行う際に死装束を着る事で自身の霊力を高めてくれます。付随品として一本下駄や一旦木綿が用意できると尚良いでしょう。鏡には魔除けの効果があると言われており、呪い返しから身を守ってくれます。刃物は厄災を払い呪い返しから身を守ってくれます。

丑の刻参りの作法

では、丑の刻参りに必要なモノが揃ったらいざ実践です。
最初に丑の刻参りを執り行う時間ですが、冒頭でも書きましたように丑の刻(午前1時~午前3時)、中でもより高い効果を見込みたいのであれば丑三つ時(午前2時~2時半)に執り行います。人工的な明りはNGで、ロウソクの明かりなど、出来るだけ暗い方がより効果を見込めます。

  1. 心身の禊ぎをする
  2. 霊場へ向かう
  3. 打ち付ける木を選ぶ
  4. 藁人形に釘を打ち込む
  5. 誰にも見られないように帰る
  6. 1.2.4.5.を7日間続ける

先ずは、身体の隅々まで洗い、歯を磨いて心身の禊ぎをしたら、白装束を身に着け、道具を全て持った状態で自分と縁の深い霊場(神社等)に向かいます。そして人目につかない木を探し選びます。(場所によっては不法侵入に抵触する場合がありますのでお気を付け下さい)藁人形を打ち付ける木を決めたら、持参してきた道具を準備します。

準備ができたら、木に藁人形と五寸釘をかざして木槌等を構えます。このとき、釘と藁人形の間には対象者の写真や毛髪などを添えます。呪いたい相手にかける呪詛の内容によって手・足・胸のいずれかに五寸釘を打ち込んでいきます。浮気性や遊び癖をやめさせたい場合は手を、殺したいほど憎い怨みは胸を打ち付けます。釘を打ち付ける際は怨念を込めてしっかり打ち付けましょう。言葉に出すのも良いです。怒鳴りつけて叫ぶと効果的とされてはいますが、他の人に見つからないことが最優先です。

木に藁人形を打ち付け終えたら藁人形はそのままにし、誰にも見つからないように細心の注意を払いながら帰宅します。

その後、同じように7日間、誰にも見られない様に毎日五寸釘を打ち込んでいきます。この間に丑の刻参りをしている姿を誰かに見られると呪いの効果は無くなり、丑の刻参りをしていた本人には呪い返しが起こりますので、絶対に見つからない様にして下さい。

7日目の晩に最後の五寸釘を打ち込み終わったら、藁人形を木から取り外します。このまま藁人形を放置すると誰かに見つかってしまい、呪いの効果が見込めなくなったり、呪い返しに合う原因となりますので、必ず藁人形を木から取り外して下さい。取り外した藁人形を、持参しているロウソクの火で燃やして焚き上げて下さい。ロウソクを持っていっていない場合は持ち帰ってロウソクやマッチなどの自然の火で燃やして下さい。ガス火等の科学的な火、コンロやライターの火は絶対にNGです。完全に燃え尽きて鎮火した灰は、そのまま霊場に撒き、これで丑の刻参りの全工程が終わり呪いが成就します。

大変な準備が伴う分強くなる呪いの力

以上が丑の刻参りの全工程ですが、丑の刻参りの正規の行程というのは、中々に大変そうです。

神社に入る場合は、参道以外の場所に踏み込むと不法侵入に抵触します。また、丑の刻参りをしている事自体知られてはいけないのですが、知られてしまった際は、呪い返しや脅迫罪などの刑法に抵触する可能性があります。人に見つからないと言う点に関しては、いつ何時人に遭遇するかなんて事は予測できませんし、中々回避が難しいです。

ですが冒頭の方でも書かせていただいた様に、丑の刻参りをする上で必要最低限必要なモノと、丑の刻参りを行う上で必要最低限の条件と言うのは、そこまで難しくありません。自宅でする事も可能なので現代では、自宅で丑の刻参りを執り行う事も一般的になっています。またこの場合、道具を揃える事も難しく無く、最近では、呪いの代行業者が丑の刻参りのセット一式で販売しているものもあります。呪い返しや対象者にばれたりするのが怖いと言う人は、代行業者に依頼してみるのも一つの手かもしれません。

これらは、少しでも呪いの効果を高める為に行う準備です。逆に言えば、恨み憎む気持ちが大きく強いものであれば、道具なしでも成功させる事ができるのです。

では、道具なしで成功させる丑の刻参りとは、一体どのようなものなのでしょうか。

丑の刻参りというものは、元々「祈祷方法」の1つであって呪いの手法ではありません。そのあたりも踏まえた上で、今回は誰でも今すぐ始めることの出来る簡単な呪いの方法について解説しようと思います。

一般的なイメージとは異なる「丑の刻参り」

以前の丑の刻参りに関する記事の中でも解説していましたが、一般的に「丑の刻参り」と聞いてイメージする「丑の刻参り」と、本来の「丑の刻参り」の形態というものは大きく異なる部分があります。根本的に丑の刻参りというのは、元々は呪いの方法ではなく「お百度詣り」のような「祈祷方法・参拝方法」の一つなのです。

丑の刻参りというのは、現世と神の世界が一番近づくとされており、神に願いが届きやすいこの丑の刻に、7日7晩祈祷をし願いを伝える事で、願いが神様に届き受け入れてもらえるという祈祷・参拝方法の一つです。この祈祷・参拝方法によって自らの負の感情、人を「呪う・妬む・憎しみ」などの感情を願いにしたのが、呪いとしての一般的なイメージがある今の「丑の刻参り」の始まりとされていることが、古記などの文献に記されています。

呪術としての効力を上げるための藁人形

丑の刻参りとは、実はただ7日7晩相手を呪う気持ちを持って祈祷さえすれば成立する呪いなのです。つまり、丑の刻参りで人を呪うために、藁人形を使う必要は実のところ無いのです。

ただ、この場合においては、相手を恨んでいる気持ち、その感情や願っている時の気持ちなどに呪いの効果が左右される部分も大きく、気持ちが極端に強く、通常では考えつかないような状態に至っていない限りは、素人で呪いを成功させることは難しいのです。

しかし、これを素人でも簡単に成功させられるように、様々な媒介を利用し、呪いの効き目や成功確率というものを引き上げる為に藁人形や釘を用いたのが、現在の一般的なイメージの藁人形を使った呪術「丑の刻参り」なのです。

現在一般的にイメージされる丑の刻参りという方法では、相手の身の回りのもの、つまり、相手に縁のあるもの(髪の毛・写真・爪など)を呪いをかける対象に見立てた身代わり人形の藁人形に組み込み、呪う対象の相手との縁を繋げる事で、呪いの媒介として成立し、その藁人形に対して釘を打つという物理的な行動によって、自身の中にある相手を呪う気持ち(負の感情)を身代わり人形に送り込みます。すると、縁の繋がっている身代わり人形から相手へとその負の感情が繋がり、結果として呪いが相手に伝播するというものです。

単純に、相手を呪うという気持ちを送るだけの方法では、この相手を知っているなどの縁だけで呪いを飛ばさなければいけないのに対し、藁人形や媒介を使うことで直接的に縁の繋がりを生み出し利用、物理的な行動も伴い簡単に呪いを相手に送り込むことができるようになります。故に、素人でも簡単に呪いを成功させることができるので、呪術の方法としてこの丑の刻参りという方法が一般的なイメージとして定着しました。

藁人形がなくても丑の刻参りはできる

ここまで説明したように、藁人形というものがなかったとしても丑の刻参りという呪術は行うことが出来ます。

しかし、この工程を省略すれば省略するほど、呪いの成功確率というものは低下し、もちろん呪い返しなどのリスクも上がります。呪いが失敗すると、もちろん呪い返しが来るので、呪いの成功確率が下がるということは勿論その分、呪い返しの確率が上がるということにも繋がります。

やはり、こういった点を考えるとプロの呪術師に呪いを頼んだり、もしくは正式な手順を踏んで省略せず儀式を行う、藁人形を用いた丑の刻参りを行った方が無難であることは確かです。呪いというものは非常に危険なもので、非常に簡単にできるにもかかわらず、そのリスクは非常に大きいのです。

このことを肝に銘じておかなければ「人を呪わば穴2つ」自分の身に呪いが返ってくる結果となってしまう場合も多く、人を呪って自分が幸せになるはずが、自らも不幸に落ちるようなことにはならないように、気をつけてもらいたいと思います。

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