古今東西、思い人を自身に振り向かせるために様々な手段、技術が考案されてきました。
その中でもポピュラーであるのが惚れ薬です。
中国のもつ永い歴史の影には、数多くの恋と叶えるために用いられてきた惚れ薬があったものです。
その中には非常に強力すぎるほどの効果を持った植物がありました。
今回は数ある惚れ薬のなかでも、一際強力な草花たちについてご紹介していきたいと思います。
どのような者でも美しく見えてしまう―――和合草
現在、過去そして未来であっても多くの人々は外見に何かしらのコンプレックスは抱えているものです。
しかし悩むことはありません。
あなた自身ではなく、気になる相手の方を変えてしまえばよいのです。
気になる相手に服用させることで、あなたを極上の美人へと(見えるように)変えてしまう。
それこそが中国南雲地方にて用いられていた薬、和合草です。
清の時代にしたためられた南中雑説という見聞録では、女が男を手に入れるために用いたものだと残されています。
服用された男は一際醜いとされている女であっても絶世の美女に見えるようになり、一生手放すことはなかったのだとか。
気持ちがわかるからこそ好きに扱える―――相憐草
宋の時代、広西地方には呪術の様相を色濃く示した惚れ薬がありました。
名前を相憐草。
同病相憐れむ、という故事成語から名付けられたこの草は一般に広まっていた惚れ薬たちとは少々異なった使い方をします。
相手に向かって気づかれることなく投げるだけ。たったのそれだけで構いません。
無理に相手に近づき、何かに混ぜて飲ませる必要などはないのです。
この呪術に成功したならば意中の相手はあなた持つ気持ちに対して敏感になり、誰よりもあなたの理解者となってくれるでしょう。
そうすればあなたが願うだけで、相手を意のまま思うがままにできることでしょう。
しかし注意点も存在します。
投げつけた相憐草ですが相手の体から離れることがあってはならないのです。
もし相手に気づかれて払われてしまったならば、この呪術は失敗に終わってしまうのです。
もし相憐草を用いるならば、相手から離れてしまうことのないよう工夫を加えることが望ましいでしょう。
森羅万象あらゆるものをくっつける―――安駝駝
次にご紹介する惚れ薬、安駝駝は上の2つよりも断然強力な効果を持っています。
なにせ人間相手以外にも効き目があるのですから。
安駝駝は和合草と同じく南中地方に伝わっている薬で、女性が男を手に入れるために自らの手で調合したものがメジャーでした。
しかし伝わっている手順通りに作ったとしても、所詮は素人が作ったもの。
うまくいったのか、もしくは失敗しているのか判別がつきません。
そのためあるものを使って効能を試したのです。
その逸話を以下にまとめました。
・女性自身がやっと抱えられる程度の石を2つ用意する。
・大きな部屋の対角の隅に石を置き、調合した安駝駝を石に塗布する。
・誰も触ることのできぬよう部屋を戸締りし、一晩待つ。
・調合に成功していれば朝になると二つの石は互いに近づき、ぴったりとくっついている。
無機物である石すらも安駝駝を塗り付けることによって、石に宿った精霊を活性化させ、自ら動くようになります。
塗り付けることでどのようなものであっても互いを引き合わせる事ができる。
これこそが安駝駝が強力な惚れ薬であるといわれる所以なのです。
お求めの上での注意点
これらの惚れ薬たちは、現在であっても専門のブローカーたちによって流通はしています。
あなたでさえもほんの少しの運さえあれば手にすることは可能でしょう。
だからこそ注意しなければなりません。
誰にでも手に入れられる以上、あなた自身がすでに惚れ薬を盛られているのかもしれないのですから。