意中の相手を手籠めにしたいとき、手段の一つとして惚れ薬があります。
効果は様々なれど結果は同じ、使用した者は愛する者と結ばれるのです。
その色香は多くの男と虜にし、そのすべての愛を手中に収めた女神がいました。
古き女神が愛した惚れ薬について、今回はご紹介したいと思います。
古き女神、イシュタル
紀元前3000年に存在したメソポタミア文明 都市国家群の一つ、ウルクの守護神こそがイシュタルと呼ばれる女神でした。
イシュタルがつかさどるは戦争・金星そして愛欲。
夫を持ちながらも数多くの男を恋人として囲い続けるという、恋多き女神でした。
イシュタルは絶大な信仰を得る神でした。
多くの時間が流れ、ウルクも数多の国々と同様に滅びの運命を辿ります。
しかしてイシュタルへの信仰は途絶えることはありませんでした。
ローマ神話に登場する愛と美の女神ヴィーナス、北欧神話の愛と美の女神フレイヤ、ギリシャ神話では愛・美・性をつかさどるオリュンポス十二神が一柱アフロディアへと姿を変えて人々から愛されてきたのです。
その強力すぎる求心力は三大宗教すらも脅かし、悪魔して槍玉にあげられるほどでした。
「バビロンの大淫婦」この蔑称は強力すぎる力を恐れてのものであったとされています。
女神の惚れ薬
絶えることなき恋人を囲い続ける、イシュタルの持つ魅力の一つこそが女神の惚れ薬でした。
多くの男を魅了して離さない、それだけの効果がこの惚れ薬にはあるのです。
作り方は次の通りです。
・金曜日の深夜に行うこと。
イシュタルは金星の権能をつかさどる側面を持ちます。
またFridayの語源はイシュタルと同一視される女神フレイアより来ています。
これらの要因からこの惚れ薬の精製には金曜日が望ましいのです。
・適量のお湯にナツメヤシの果実6個、バラの花びらを6枚加え、シナモン・スティックで混ぜつつ煮詰める。
ナツメヤシはイシュタルの信仰地であったバビロニアにおいて生命の樹という要素を持ち合わせています。
またバラの花言葉は「愛」「美」。イシュタルを指し示すものであるのです。
・「リムリートゥ・イア・シャメッシュ」と呪文を唱えます。
イシュタルへ願いを届け、その加護を願う祝詞の役目を持ちます。
イシュタルを賛美し、力を希う意味を持ちます。
・ナツメヤシの果実、バラの花びら、シナモン・スティックを取り除き容器に入れて保存しましょう。
以上で女神の愛した惚れ薬の完成です。
惚れ薬の用法・用量
この惚れ薬は少量を手に取り、あなた自身の首筋・手首・性器の周りに塗ることによって効果を表します。
香水と同じように、その香りによって人々の心を惑わすのです。
たちまちあなたは魅力あふれる人間となり、周りには多くの異性を侍らせることができることでしょう。
しかし一度の服用でいつまでも効果が続くわけではありません。
この惚れ薬の効果は香りが消えるまでですし、一度作っても次の金曜日にはその効果がなくなってしまいます。
そのため維持するためには毎週金曜日に作り直し、イシュタルへ祈りを捧げなければならないのです。
また結果を求めるがためにあまりに多くの惚れ薬を塗ることはお勧めできません。
神であるからこそイシュタルは異性から受ける愛に耐えられたのです。
人間の身であればたちまち、貪り尽くされることでしょう。
用法・用量をお守りください。