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ボン教——チベットにおけるシャーマニズムと自然信仰

宗教として成立する以前からの土着の信仰

前回投稿した「トゥルパ」の中で、仏教が入ってくる前からチベットにあったボン教について紹介していた。ボン教とは、チベットに古来から存在している土着の宗教である。

チベットは仏教大国として知られているが、元々別の宗教があったことを知らない人は多いのではないだろうか。

例えば、三大宗教のような大きな宗教ではなく、古来からその地方で自然と出てきた土着の信仰がある国はたくさんある。日本も、日本古来の宗教として神道があり、八百万の神の概念がある。チベットも同じく土着の宗教があるのだ。それが「ボン教」と呼ばれるものであり、古くからある土着宗教ならではの自然信仰とシャーマニズムが柱となっている宗教である。

今回はその「ボン教」について紹介したい。

チベットに根付いていたボン教

「ボン教」というものを初めて聞いた人も多いのではないだろうか。ボン教とは、チベットに古くから根付いていた民間信仰の宗教である。

チベットでは、元々このボン教が信仰されていた。チベットといえば、ダライ=ラマやチベット密教など仏教のイメージが強いと思うが、実のところチベットに昔からあった宗教はボン教なのである。ボン教そのものも、外来から伝えられた宗教であるようだが、チベットに根付き、仏教が入ってきて衰退していってもなお、互いに影響し合い融合しながら発展してきた。

ボン教成立以前から存在していた土着信仰についていは、チベット語で「ミチュー」と呼ばれているが、後世の人々はこれもまとめて「ボン教」と呼んだ。

チベットでは、ボン教は現在も仏教の次に信者の数が多く、総本山やいくつかの僧院が存在している。また、中央アジア史の研究対象の一つとして世界から注目されてきている。

ボン教の成り立ち

ボン教は現在でも研究されている分野で、はっきりした成り立ちは分かっていないようだが、人類最古の文化の一つとも言われているほど歴史は古い。

元々中央アジアで発生したシャーマン教の一種であったものが、チベットに伝えられたものが起源と考えられている。その後7世紀に仏教が入ってくると、仏教の影響によりボン教のあり方は変わっていった。

ボン教は仏教伝来の前か後かで大まかに2つに分けられる。仏教が伝来するより前から信仰されていたものが「古代ボン教」その後トンパ・シェンラプ・ミウォが開祖とされ各地で説かれていたものが「ユンドゥン・ボン(永遠のボン)」である。

「ユンドゥン・ボン」は、トンパ・シェンラプ・ミウォによってチベット西のほうにあるタジク(タジキスタン共和国)やシャンシュンからもたらされた教えである。シェンラプ・ミウォは、タジクのウルモルリンという国の王子として生まれ、各地で教えを説いたとされる人物だ。彼はボン教徒からブッダと崇められているが、ブッダの生まれ変わりだとかブッダと同時代人であったと主張する説や、実は信仰心の篤い仏教徒だったが後に反旗を翻すことになる仏教パンディットの生まれ変わりだと主張するものもおり、未だに謎めいている存在だ。

その後、7~8世紀頃にチベットに仏教が入ってくると、徐々に衰退していった。しかし、完全に滅びることなく、仏教の要素を取り入れながら存続し、9世紀頃から教団として教義、11世紀以降では仏教と似たような教義や体系を持つ宗教になっていったのである。仏教の要素を取り入れてからのボン教は「新しいボン教」と言われる。

それから、仏教の教義を取り入れながら発展させてきた白ボン派と、古来の自然崇拝を行う黒ボン派に分かれるなどを経て、ボン教は現在まで続いてきた。ボン教と仏教はお互いに影響しながら発展したことで共存でき、チベットの中で存在し続けているのだろう。

ボン教の教えや儀式

ボン教は元々教義などは持っておらず、本来は自然崇拝とシャーマニズムが中心となっていた民間宗教である。

自然崇拝は、宇宙空間に無数に存在する遊離魂によって世の吉兆禍福などが現れるが、そこで精霊に祭祀祈祷を挙げ宥めることで災いを除き福を招こうというものである。この精霊は木や石などの物に憑依するとも考えられるようになり、身の回りにある自然の物を崇拝するようになった。

また、巫僧(巫女や僧侶のような存在)とされる人物に精霊などを憑依させ、巫僧の口を借りて予言や神勅・精霊の意思などを聞いていたようだ。憑依する術を使い、死者と生者の橋渡しとしての役割も兼ねるなど、世界各地にあるシャーマニズムと同じような要素もあったようである。しかしそこから、仏教伝来の後、その影響を受けながら変わっていったことで、現在では仏教と似たような教えになっている。

例えば、仏教のニンマ派とボン教どちらにもあるのが「ゾクチェンの教え」というものである。ゾクチェンとはチベット仏教の二ンマ派(古派)とボン教に伝わる教義である。「大いなる完成」と呼ばれる「ゾクパ・チェンポ」を短縮したもので、あらゆる生き物のあるがままの姿(完成形)である。また、それを理解することにより、優れた覚醒の境地に至るとされているのである。

ボン教の教えには、9つの段階があり、それぞれに修行法などがあるが、ゾクチェンはその最上位に位置するものだ。ちなみに9つの段階には、低い段階だと医学や天文学、占いなどが位置するようである。

このように、古代シャーマニズムから仏教の色が濃くなったボン教ではあるが、独自の宇宙論や宇宙進化論もあるとされている。また、ボン教には教義が書かれている聖典が200冊以上もあり、中には技術工芸・医学・論理学・物語などもあるなど、様々な分野の教えが説かれているのである。

また、逆に仏教側が取り入れてきたボン教の文化もたくさんある。

「タルチョ」と呼ばれるものもその一つだ。

「タルチョ」は、チベットやネパール、インドなど、チベット仏教の盛んな地域で見られる伝統文化である。上記の写真にあるような連なったカラフルな旗が、寺院や民家の付近でたくさん吊るされ、澄んだ青空の下で風にたなびいている。

このタルチョは「祈祷旗」であり、旗の色や書かれている絵・文字全てに祈りの意味が込められているものだ。旗の色は5色あり、それぞれ青(空)、白(風)、赤(火)、緑(水)、黄色(地)と、宇宙を表す5つの要素を表しているそうで、青、白、赤、緑、黄の順番に配置される。

旗に書かれている文字や絵は、経文、仏像、風の馬などであり、仏法や願い事が風に乗って世界中に広まることを願っているものである。また、経文が書かれた旗は、たなびく度に読経をしたのと同じになると言われている。

このように、タルチョは仏教と深く関わりがありチベット仏教文化の一つとも言われているが、その起源はボン教なのである。元々ボン教で行われていたものが、仏教にも取り入れられ、仏教文化となったのだ。その為か、旗には経文だけでなく、呪文なども書かれているようで、これはボン教由来の名残であるらしい。

また、シャーマニズム信仰のボン教らしく、悪霊を祓い精霊に祈りを捧げるためにも使われていたようである。

現在では、登山道などに吊るすことにより、登山者の安全を祈る意味も込められていることもあるようだ。

このように、仏教とボン教は、迫害や反発などもありながら、互いの教義や儀式を取り入れてきたのである。

まとめ

ボン教は、仏教やキリスト教などのように世界的に有名ではないものの、太古の昔から現代まで続いてきているチベットの宗教及び文化なのである。

シャーマニズム信仰からできた土着の宗教であることや、まだあまり知られていない部分もあるところから、謎めいていたり神秘的なイメージを持つだろう。

ボン教は、日本でいうところの神道のようなものだと言える。自然を信仰し、仏教と共存し、その国に昔から根付いてきたところからもかなり似ていると言えよう。そう考えると、少しボン教に親近感が湧くような気がしないだろうか。

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