お正月や初詣の時期しか、神社へ参拝に行かないという人も多いと思いますが、せっかく年1回の初詣で神社を参拝したにも関わらず、その参拝方法が間違っていては、せっかくの参拝が意味のないものとなってしまうこともあるどころか、逆に神様に失礼を働いてしまうような結果を招くこともあります。
しかし、正しい参拝方法を理解している人は少なく、正しい参拝方法を聞かれたところで「あれどうするんだっけ?」となる人は多いと思います。
今回は、神社を参拝する際に重要となるポイントを大きく3つに分けて説明していきたいと思います。
神社に立ち入る前に
多くの人が神社にたどり着いた時、特に気にせずそのまま神社の中へと入っていってしまいますが、これは、まず1つ目の大きな間違いです。
神社を訪れた際に神社の敷地内へと入る時には、まず鳥居の前で一礼してから鳥居を潜るのが正しい作法とされています。
鳥居には結界としての効果もあるとされており(いわゆる盛り塩などと同じで、玄関の盛り塩などは鳥居を簡略化したもの)、また神社の敷地内というのは神様が統治している、もしくは神様の住んでいる場所(住居)とされているため、神様の懐に入らせていただく前には、目上の方の家を訪れさせて頂く時の様な気持ちで、必ず一礼するのが正しい作法となります。
また、この一礼する時には、中央を少し避けたところで一礼します。
参道の中央は「正中」と呼ばれており、神様の通る場所とされているので、鳥居の中央また参道の中心部分にあたる場所ではなく、中央を避けたところで一礼します。
一礼をしたら、そのまま中央を避け、端の方から静かに神社への敷地へと足を踏み入れていきます。
ここから本殿に向かって行く時も、中央は避けるように歩き本殿へと向かいます。
本殿に着くまでの間に、複数の鳥居が建っている場合は、鳥居をくぐる時には、1つ1つ一礼していくのが尚良いとされています。
参拝前には必ず手水によって禊をする
参道を歩いて行くと、本殿手前の参道脇には必ず「手水舎」と言われる、手を清める場所があります。
ここでは、本宮を参拝する前に、この水を使って手と口を清めていきます。
これを「手水を取る」といい、体の穢れ(けがれ)を落として心身を清めます。
これは神様に会う前に行う禊の儀式を簡略化したものとなりますので、忘れずに必ず行うようにしてください。
手水舎においては、ほとんどの場合「柄杓(ひしゃく)」が置いてあり、柄杓の水を使って手を洗い・口をゆすぐのですが、多くの人がこのタイミングで間違っているのは「何度も柄杓で水をすくってしまう」「柄杓での清め方の順番が間違っている」ことが多いです。
また基本的に、ここでの清める行為に関しては、最初に柄杓で汲んだ、一杯分の水ですべて行ってください。
正しい手順としては、以下の通りとなります。
1.右手で柄杓を持ち、左手を流す。
2.柄杓を左手に持ち替えて、右手を流す。
3.柄杓を右手に持ち直し、左手で水を受け口をゆすぐ。
4.左手をもう一度流す。
5.柄杓を縦にして、柄杓の中に残った水で柄杓の柄の部分を流す。
手水を行う時に、よく柄杓に口をつけて飲んでしまう人がいますが、これは絶対にやめてください。
この手水において重要なことは、「物理的な汚れを落とす」ことではなく、『穢れを落とす』という禊の部分ですので、手の汚れが落ちていないからと言って柄杓に何度も水を汲み、ゴシゴシと手を洗う必要はありません。
また、手水舎から流れている水で、直接手を洗うなどという行為も間違った方法です。
必ず柄杓を使って正しい手順で禊を行ってください。
いよいよ参拝
手水を行い、禊も終わったら、いよいよ本宮にて参拝です。
まずは、神前(お賽銭箱の前)に進み姿勢を正します。
気持ちを整え、静かにお賽銭を投入します。(決して投げ入れる様な不作法な方法で投入しない様に気を付けて下さい。)
お賽銭を差し出し、お賽銭箱に投入したら、次に鈴を鳴らします。(決して雑に扱わず丁寧に鳴らして下さい)
初詣の時期などは、鈴が外されている所も多いのでこの場合は省いても問題ありません。
鈴をいよいよ「拝礼」です。
正しい拝礼の方法は、以下の通りとなります。
1.姿勢を正し、腰を90度になるような形で曲げ、まずは2拝。
2.胸の前に、右手の指さきを少し下にずらすような形にし、手のひらを合わせ、2回手を打ち鳴らし願い事をします。
3.最後に1と同じような形で、もう一度1拝します。
これが、参拝時の正しい拝礼方法で、一般的に言われる『二拝二拍手一拝(二礼二拍手一礼)』と言われる作法の、正しいやり方となっています。
神社などによっては、特殊な作法がある場合もあるので、必ずこれが正しいと方法と言う訳ではありませんが、多くの神社では、この二拝二拍手一拝(二礼二拍手一礼)と言う作法が、基本形となるので覚えておいて貰いたいと思います。
また、補足ですが「御朱印・おみくじ・お守り」などは必ず参拝後、特に御朱印は帰る時に貰う様にしてください。