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サカ歌と言う歌に呪詛を込めた呪いの方法

2017/09/23

サカ歌とは、奄美大島に伝わる呪歌(呪いを掛けることをもくてきとした歌)のことです。土着の呪いであるこのサカ歌は、歌を詠む技術が必要とされることから、その効果の高さとは裏腹に消滅しつつあります。

サカ歌とは


サカ歌とは奄美大島に伝わる歌で、相手に「呪い」をかけることを目的として行われます。ヨソジマと呼ばれる他集落と、水源や土地などをはじめとした資源の分配を争う際に「唄掛け」という儀式の中で用いられてきました。
この「唄掛け」というのは、サカ歌の詠み合いのことで、お互いに歌詞の中に相手を呪う言葉を入れながらも、呪いの言葉が含まれていると相手に気付かせないサカ歌を詠まなければなりません。その為、ヨソジマと「唄掛け」を行う際には、集落の中でも唄に自信のある人物が代表となりました。
また、サカ歌を詠まれた人物には厄が降りかかる為、それを祓うために「返歌(ケーシ)」を詠まなければなりませんでした。この「返歌」は、相手のサカ歌を貶したり、否定したりする内容を含ませなければなりません。

サカ歌と返歌の例


サカ歌や返歌には主に徳之島節の旋律を用います。また「唄掛け」では、基本的に8・8・8・6音の詩形(これはサカ歌に限らず、奄美大島全体でもこの詩形が基本です)の即興でのサカ歌や返歌の掛け合いを行い、勝敗を決めます。
代表的なサカ歌や返歌の例は、以下の通りです。口伝で伝えられているもののため、詠まれた状況は不明ですが、歌詞の内容や汎用性の高さから考えれば、唄掛けで詠まれたものなのは違いありません。

サカ歌:犬な鞍掛けて(いぬなくらかけて) 猫な其り引かち(ねこなそりひきかち)
死旗押し立てて(しはたおしたてて) イラブドウかち
意味 :犬に鞍(くら)を掛けて、猫にそれを引かせて、弔旗(ちょうき)を押し立てて、イラブドウという海の墓場へ

サカ歌:ムゾや死んだかの(むぞがしんだかの) 生まれ稲刈りが(うまれいねかりが)
吾ぬや奥山に(われぬやおくやまに) 霧に又なりが(きりにまたなりが)
意味 :愛しい人は、あの世の田んぼへ生った(なった)稲を刈りに、私は奥山に、霧になるために入っていく

返歌 :だまが歌うたいや(だまがうたういや) 歌やりばきくしが(うたやりばきくしが)
鶏ぬ卵なてが(とりぬたまごなてが) しむるいちゃまし
意味 :お前の歌う歌が、まともな歌ならば聴いてやるが、鶏の卵で例えれば腐った無精卵、のようなものだ

上記のサカ歌や返歌の例からも読み取れるように、サカ歌には「墓場」や「あの世」とい
った、直接「死」に繋がる単語が散りばめ、相手に呪いをかけようとしています。また、これらのサカ歌に対する返歌には、「お前のサカ歌は腐った無精卵のようなものだ」と罵倒し、、相手のサカ歌を否定する単語が見られます。

サカ歌の方法と注意点


上記の例のように、相手に呪いを掛けるような不吉な単語を織り交ぜつつ、それが呪いであると気付かれないように相手にサカ歌を詠み掛けます。
もし気付かれてしまい、返歌をされた場合は、サカ歌でかけた呪いが自身に帰ってくるとされます。対象を恨む「念」よりも、呪いとバレないように歌を作る「技術」が不可欠な、技巧派の呪いと言えます。
必要な物などは特にありませんが、奄美大島の方言や歌の節などは覚えておいた方が良いでしょう。特に返歌をされた場合、即座に返歌を詠み返すことが出来れば、サカ歌の呪いは成立しますから、即興で唄を作る技術を鍛えておけば、臨機応変に対応することができるでしょう。

サカ歌であると知られて、返歌をされた場合、呪いは自身へと帰ってきます。ですから、出来るだけサカ歌の歌詞は工夫しましょう。また、返歌をされた際にすぐ返歌し返せるよう、唄の知識はつけておいた方が良いでしょう。

シマ唄とサカ歌


琉球語では、「シマ」という言葉には「島」という意味の他に、「集落」「村落」という意味があります。また、古くから奄美地方に住んでいる高齢の方の中には、自身の所属する集落以外の歌を決して「シマ唄」と呼ばない、という方もおられます。つまり、「シマ唄」というのはいわば「故郷、郷里の歌」と呼べるのです。これらの歌は、例えば料理を作る手順や仕事の手順などを教える、覚えるための役割や、その地域に存在する伝承を伝える役割を担っています。
その中でもサカ歌というのは、相手に呪いをかけるという役割を割り振られた「シマ唄」の一種です。
(英語を覚える際に歌うABCの歌と、『桃太郎の歌』や『もしもし亀よ』の様なストーリー性のある歌が一般的な『シマ唄』であるのに対して、『サカ歌』は『とおりゃんせ』や『カゴメカゴメ』のように呪術的意味を持った歌である、と考えると解り易いかもしれません。)

サカの意味


サカ歌の「サカ」とは、「逆さま」の「逆」の意です。加えて「逆」というのは「死者」と通じます。例えば、着物の襟を上下逆さまに着ていれば、それは「死装束」です。また、各地に伝わる葬送儀礼には、仏式、神式、土着信仰を問わず、「逆さま」と言う現象が散見されます。「逆さ屏風」や「逆水」などが、良い例でしょう。(有名な怪談だと、『逆拍手』という話もあります。)
これらのことから、サカ歌というのは「死者の歌」という属性を持っていることが分かります。「この世のものではない、死者の言葉を用いた歌」を対象に詠み掛けることにより、その「言葉」の力で対象を不幸にすることが出来るのです。

ここまでで、サカ歌という呪いについて解説してきましたが、こういった「特定の地域に伝わる、伝統的な呪い」というものは口伝で伝えられている場合がとても多いです。更に、そういったものに興味を示さない人間が増えたことにより、呪いの方法を知っているのが集落の古老のみ、といった場合も少なくありません。
そういった伝統的な呪いは、集落の古老が亡くなると同時に永遠に失われてしまうものです。そして呪いの方法が失われれば、それに対応する方法も失われます。ここが伝統的な呪いの怖いところで、かけられた呪いの種類が分からなければ、その呪いを解くのは簡単な事ではありません。
ですから、サカ歌のように「失われつつある伝統的な呪い」は、今後その方法を知る人間が少なくなればなるほど、方法を知る人間にとって強力な呪いとなっていくでしょう。

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