降霊術・危険な遊び

海外版こっくりさん【ウィジャ盤(ウィジャボード)】による降霊術『テーブルターニング』

「ウィジャ盤」とは、「心霊術」や「降霊術」で用いられる道具の一つです。「ウィジャ盤」と言う言葉は、フランス語で「はい」の意味を持つ「Oui(ウィ)」と、ドイツ語で「はい」の意味を持つ「Ja(ジャ)」という言葉を繋げたものです。
その名の通り「ウィジャ盤」には、上部に「Yes」や「No」と書かれ、その下に「A~Z」までのアルファベットと数字が書かれており、この文字等を何らかの方法で指示させることにより、心霊との交信を行います。広義には、「コックリさん」で用いられる、「鳥居と文字が書かれた紙」も、「ウィジャ盤」に当たります。
「ウィジャ盤」や、それに類似したものを用いた心霊術は実に多種多様で、世界中に分布しており、特定の民族の儀式のようなものまで上げていればキリがありません。
加えて、「ウィジャ盤」自体はただの道具でしかありませんから、「ウィジャ盤」を持っているだけで降霊術が行えるわけではありません。
そこで今回は、「ウィジャ盤」を用いた降霊術の中でも特に有名な「テーブル・ターニング」について、その方法と歴史を踏まえた上、「ウィジャ盤」の使い方について解説を行いたいと思います。

テーブル・ターニングの方法

まずは、「ウィジャ盤」を用いた「テーブル・ターニング」を行う際の手順を説明しておきたいと思います。
最初に、「ウィジャ盤」とテーブルを準備します。「テーブル・ターニング」に用いるテーブルについては、多少ぐらつき易いものが良いとされます。
次に、「テーブル・ターニング」に参加する人々(一般的には4、5名から10数名程度とされます)がテーブルの前に着席します(できれば、男女が交互に座る方が良いとされます)。更にカーテンやブラインドなどを閉めて明りを消し、部屋は真っ暗に近い状態にします。最後に全員がテーブルの上に両手を載せます。
この状態で、霊が降りてくるのを待つ、もしくは何らかの呪文を唱えることで霊を下ろします。
すると、テーブルが勝手に動き、質問に対して「ウィジャ盤」の文字を示すことで答えてくれます。
終わる際は、霊に帰るように頼み、テーブルが「ウィジャ盤」の「はい」の部分を指し示せば霊が帰ったとされ終了できます。

この他にも幾つかの方法があるため多少の誤差がありますが、以上が一般的な「テーブル・ターニング」の方法です。
「コックリさん」の原型であるとされ、その方法も非常に近いことから「海外版こっくりさん」と言えばイメージが出来るのではないでしょうか。

テーブル・ターニングとは?

「テーブル・ターニング」とは、このように「テーブル」と「ウィジャ盤」を用いて行う降霊術です。その始まりは、1848年にアメリカのニューヨーク州、ハイズヴィル村に存在していたフォックス家の、マギーとケイトという二人の少女が死者の霊との交信を始めたところにあります。
この二人は、自分たちの質問に対して霊が「テーブルや壁などを叩く音」によって答えてくれている、と考えました。この現象がアメリカ中に発信されることにより、各地で「降霊会」が流行することになります。その中で編み出された方法が「テーブル・ターニング」です。
この「テーブル・ターニング」は始まった当初、質問の答えが「はい」ならテーブルが動く、「いいえ」なら動かない、というものでした。そのため、「はい」か「いいえ」でしか答えられず、非常に簡単な質問しかできませんでした。しかし、「ウィジャ盤」の導入で、テーブルの傾きや回転により「ウィジャ盤」の文字を指させることにより、霊の言わんとしていることを、より明確に読み取ることが出来るようになりました。

これらのことから、「ウィジャ盤」と言うのは降霊を行うための道具なのではなく、降霊術における霊との「コミュニケーションツール」であると結論付けることが出来ます。

こっくりさん・ウィジャ盤は集団催眠?

「コックリさん」が哲学者である井上円了氏をはじめとして、幾人もの学者たちが研究していたように、この「テーブル・ターニング」についても多くの学者が研究を行っています。
有名どころだと、ドイツの数学者「カール・フリードリヒ・ガウス」やイギリスの科学者「マイケル・ファラデー」などが研究を行っていました。更に「レオナルド・ダヴィンチ」も著書の中で「テーブル・ターニング」と似た現象について取り扱っていたとされます。

そういった研究によれば、「テーブル・ターニング」におけるテーブルが「ウィジャ盤」を指し示す際の動きは、「潜在的な心理の動き」による腕の筋肉の「不随意運動」によって、無意識のうちに参加者がテーブルを動かしていると言われます。

実際に行われた実験として、「ウィジャ盤」を用いた「テーブル・ターニング」の参加者の筋肉運動を測った結果、テーブルが動くよりも先に微弱な筋肉の動きが見られた、というものもあります。
この結果から「テーブル・ターニング」で見られる『テーブルが動く』という現象は完全に科学で説明が付くように思えます。
しかし、それだけでは説明が付かない部分が多数存在しています。

例えば、参加者が誰一人として答えを知らない質問にも答えてくれる、「テーブル・ターニング」を行っている最中に、周囲で不審な物音がする、といった事例も多々存在しています。

これらの現象は、どのような要因から起こっているのでしょうか。

先程も述べたように、「テーブル・ターニング」とはその最初期、壁からの物音やテーブルの傾きから霊の意図を読み取ろうとするものでした。この「物音がする」「テーブルが勝手に動く」といった現象は、所謂「ポルターガイスト」と同様のものだと言えるでしょう(「ポルターガイスト」は日本語で「騒がしい霊」とされ、勝手に物が動いたり、どこからか不自然な物音がしたりする、と言った現象です)。

つまり、「テーブル・ターニング」とは、極めて限定的な場に、意図的に「ポルターガイスト」を起こす技術であると言えるでしょう。
更に「テーブル・ターニング」という技術に、「ウィジャ盤」という「コミュニケーションツール」が加えられたことによって、「ポルターガイスト」の発生点をより限定的かつ明確にすることに成功した降霊術こそが、現在の「ウィジャ盤」を用いた「テーブル・ターニング」や、「コックリさん」だと考えられます。

「テーブル・ターニング」や「コックリさん」といった降霊術において、「ウィジャ盤」は既に欠かせない道具の一つであると言えます。「ウィジャ盤」があることで、より呼び出した霊の意図が明確に読めれば『要らぬ危険を招かない』と言う安全面の確保が簡単になるからです。

「テーブル・ターニング」のような降霊術には、「術」とついていることからも分かる通り、技術が不可欠です。更に降霊術の技術の発展の中で「ウィジャ盤」といった道具が生まれたのも必然と言えるでしょう。
「ウィジャ盤」という道具は、いわば降霊術における安全装置です。ですから、もし降霊術を行おう、と考えるのでしたら、「ウィジャ盤」をはじめ、道具類は欠かすことなくそろえた方が、より安全性が高まるでしょう。

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